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穴の空いたくつした

ポケモン擬人化企画用のブログ。

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再会の話

瑠衣とシイナの初遭遇SS。
挿絵描きたかったけど途中で挫折した。

ほんの少し今年の映画ネタを含みます。

何の変哲もないのどかな町、雨橋町。
今町のあちこちで、静かに異変が起き始めている。
そしてまた、ここにも波乱の気配が忍び寄っていた。

時刻はすでに7時を過ぎていた。
春になり日が伸びてきたとはいえ、さすがにこの時間になれば暗い。
瑠衣は人通りの減った道を早足で抜け、1人帰り路を急いでいた。

「まずいな……、こんなに遅くなるなんて、兄さんに叱られる」

先輩も遅くなるなら最初から言ってほしかった、と文句を呟きながら公園の中に入った。
ここをまっすぐ横切れば近道になる。
誰もいない公園は、昼間とは違って静まり返っている。

藪の中からがさがさと音がした。
はっとして足を止め、音がした方に目を向ける。
街灯の光も届かない暗闇の中で、確かに何かが動いている。
子供がまだ残っていたのだろうか、それとも別の何かが……

と、突然影の中から顔だけが現れ
「こんばんはぁー!」
と笑いかけた。

瑠衣が驚いて動けない間に、影はするすると進み出てきた。
街灯の下で見ると、全身真っ黒な少女だった。
まるで魔女のような衣装に身を包み、
手にした杖の先には小さな明かりが灯っている。

「その恰好……、君は誰だ?」

目立つ衣装の少女が、こんな時間に出歩いている理由。
1つだけ思い当たることがあった。
どうか僕の勘違いであってほしい、と願いながら。

だが瑠衣の願いを裏切るように、真っ黒な少女は明かりを消して頷いた。

「たぶんあなたの考えてる通り!私も魔法少女だよ」

「やっぱりそうか。わざわざ誰もいない時を見計らって来たということは、
当然僕の正体も気づいているんだな」
「あらまあ、ずいぶん察しがいいね!見た目ほど馬鹿じゃないみたい」

重い言葉とは裏腹に、少女は楽しげに1回転した。

「闇夜を彷徨う黒い思念、ネーロクレセント!これからよろしくね!」

大罪の魔法少女か、といっそう警戒して少女を見つめる。
彼女はどこまで情報を掴んでいるのだろう。
少なくとも僕が美徳の魔法少女であることは知っている。
そして、敵意を持っていることも確実だった。

「何のつもりかは分からないが、このまま逃がすわけにはいかないな」

他に味方はいないが、覚悟を決めた。
誰もいないことを確認して、鍵を制服の上から握りしめる。
まばゆい光に包まれ、瑠衣の姿が変わっていく。

「清き水流、コローレカスケード登場!与えらえた鍵に忠義を誓う!」

クレセントは、にっこりと笑って問いかけた。
「私から喧嘩売っといて何だけど、本当にやる気なの?あなた1人で?」
「当然よ!忠義を尽くす身として、目の前に敵がいるのに放っておけるわけないでしょう!」
「忠義の魔法少女かぁ……。なるほど、それがあなたの力なんだ?」

そう言ってクレセントは笑みを深めた。
その言葉がどんな意味を持つのか、瑠衣は知るはずもない。

「さあ、早く終わらせましょう!急がなきゃ叱られちゃうわ!」

***
バトルシーンは書けないのでぶち切りました。
この時瑠衣はまだネーロクレセントの正体には気づいてません。
シイナは知ってて遊びに来てます。
映画見てたら、暗がりからいきなり現れて相手を驚かすシイナが浮かんだので
せっかくだから初遭遇ネタに使おうと。
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